思春期の「腹痛」がカギ?うつ病発症を予測する身体症状
2014/09/24
成人後のメンタルヘルスは思春期の身体症状から予測できるかもしれない。 スウェーデンでの調査研究から。
調査ではスウェーデン中部の都市、ウプラサ在住の16~17歳を対象に1991~93年に、うつ病の検査を実施。思春期うつ病患者と一般グループとに分け、専門家による面接と21の身体症状に関する自己評価を行った。
身体症状は、頭痛や冷え性、腹痛、めまい、不眠、疲労感など。その上で15年間、彼らを追跡したのである。
その結果、開始時点でうつ病を患っていたグループのうち、身体症状を五つ以上自覚している子どもは、成人後のうつ病再発リスクやパニック障害、躁うつ病などの発症率が高かった。
一方、思春期のメンタルヘルスが良好だった一般グループでも、身体症状がある場合は、身体症状がない子どもよりも、成人後にうつ病や不安障害、自傷行為の発症が明らかに多かったのだ。
うつ病というと、落ち込みや意欲の減退など精神症状が強調されがちだが、思春期には慢性的な腹痛や頭痛など身体からの「SOS」が前面に出る「仮面うつ病」が珍しくない。
この調査に限れば思春期うつ病と、成人後の発症に強く関係する身体症状は、めまい、トイレに頻繁に行く、不眠、疲労感、そして腹痛だった。
特に「腹痛」は単独で強力なリスクであり、成人後のうつ病と不安障害の発症を予測できる因子であることが判明している。
現在、国内のうつ病など気分障害患者は軽く100万人を超える。
未受診の潜在患者を考えると、そら恐ろしくなる数字だ。
しかも、思春期の有病率は2.0~8.0%と成人並み。
早期に対応できれば1、2年で治るといわれているが、再発率も高い。
せっかく社会に出ても、再発や新たな発症で休職に追い込まれるケースは少なくないのだ。
もし、わが子に原因不明の「腹痛」が続くようなら、一度ゆっくりと彼らの不安や悩みに耳を傾けてみることをお勧めしたい。
見方を変えれば、心身が柔軟なうちにストレスに対処する力を育てるチャンスなのだから。
関連記事
-
-
「家族のドリームマップ」をつくろう。
パパ、ママ それぞれ考えはあるけどお互い通じ合っているでしょうか? 意外と話す時 …
-
-
今どきの夏休み
さあ、夏休み突入! 夏休みと言えば「夏休みの宿題」ですよね ある教育調査機関が、 …
-
-
子どものご褒美効果を検証してみると!
アメリカでは、「教育を科学的な根拠であらわす」研究が進められています。 その中で …
-
-
乳幼児期に健康な食生活をした子どもは知能の発達が良い!
オーストラリア・アデレード大学のLisa Smithers博士らがEuropea …
-
-
小学生の排便状況の実態
【小学生の排便状況の実態】 大塚製薬は12月1日、「子どもの排便状況と食物繊維の …
-
-
赤ちゃんにとって一番の友は犬?
赤ちゃんにとって一番の友は犬?飼えば健康に育つ=米医学誌 それによると、家で犬を …
-
-
男の子をどう育てるか?
こんちわっす。 今日はみなさん寝不足ですか? 今朝のワールドカップ 日本チーム凄 …
-
-
子どもの夏休みの思い出
今日の朝刊に ”子どもの夏休みの思い出”についての記事が載っていた。 小学生の頃 …
-
-
吉田松陰「母の道7カ条」
2015年大河ドラマ「花燃ゆ」ご覧になっていますか。 明治維新を生き抜いた女性、 …
-
-
子供の継続力を高める前に!
何事も「継続力」は大切ですよね! でも、むやみやたらと「続けなさい」と言っても …
- PREV
- お年玉の賢い利用法。
- NEXT
- その褒め方 逆効果!ですよ。